SLR test
今回は【SLRテスト】をご紹介します。
SLRテストはご存知の方も多いと思います。
(1)名称
「SLR test」
※Straigtht Lag Raising Test
※日本語だと「下肢伸展挙上検査法」
(2)概要と目的
腰椎椎間板ヘルニア(以下LDH)を疑った時に行われる最もポピュラーなテスト法です。
LDHが存在している場合陽性になるとされています。
Straight Leg Raise
頭文字をとって付けられた名前ですね。
SLRテストは、簡単で有用性の高いものですが、何を「陽性」と捉えるかを間違えてしまうと意味のないテスト法になってしまいます。
ここではあくまでLDHを疑った時に行うSLRテストとして考えてください。
(3)スタートポジション
・選手は仰向けで寝る。
両下肢は膝をまっすぐ伸ばした状態とする。
・トレーナーは患側に立ち、片方の手で患者の踵を支える。
他方の手は同側の膝が屈曲しないように膝関節部に置く。
(4)アクション
・膝関節伸展位を保持したまま、下肢をゆっくりと挙上していく。
※健側にも行い、反応を比較する。
(5)陽性反応
・屈曲角度が35°~70°の間で坐骨神経の走行に沿うような、痛み、シビレなどを感じたら陽性とする。
・誘発される症状は、単に「痛い」とか「シビレる」だけではなくて、普段感じている症状に近いものなのかを確認することが重要です。
※屈曲0°~35°では、坐骨神経はまだ伸ばされていない。
この角度で痛みなどが誘発された場合は、別の傷病の可能性が高いとされています。
また、必ず健側にも行い、患側と比較しましょう。
(6)テスト法の信頼度
・感度 :91%
・特異度:26%
つまり、LDH疑いの選手にSLRテストを実施した場合、
結果が陰性であれば、この選手がLDHの可能性は低くなる。
ということです。
(7)現場での実際
スペシャルテストの中でもかなりポピュラーなものですよね。
腰痛の選手に対応するときは、ルーティーンとして必ず行います。
下肢の神経症状を訴えていなくても念のため行います。
この方法は、ハムストリングスのストレッチも同時に行っているので、
学生トレーナーや若手トレーナーは、選手の
「痛いです」
という訴えを陽性と判断していいのか苦慮している場面によく出くわします。
そんな時は
「誘発された症状が、普段感じているものに近いか」
を確認してください。
それが重要な指標となります。
また、ストレッチとして用いる時は、逆足が浮いてこないようになどの配慮をしますが、LDH疑いに対して行うときは、そこまで気にしません。
なぜなら、LDHの症状が強く出ていれば、多少あいまいな方法でも必ず症状の誘発が診られるからです。
でも、これはあくまで私見なので、あしからず!
繰り返しですが、SLRテストが陽性になったからと言って、すぐにその選手がLDHと判断してはダメです。
逆に、陰性の場合、その選手がLDHである可能性はぐっと下がったと考えられます!
(8)動画
(9)参考書籍
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