ワイプテスト(膝関節)
今回は、
「膝関節の関節包内に腫脹があるかどうかを確認するためのテスト法」
の1つ紹介します。
膝関節内に腫れがあるかを見極める事は非常に重要です。
なぜなら
「関節内に腫脹があるということは、関節内にある何かが壊れている」
と予測できるからです。
関節の外にあるものが壊れても、関節の中に腫れは起きません。
では・・・・
関節内にあるものってなんでしょうか?
関節は
・骨
・関節軟骨
・関節包(滑膜と線維膜)
・靭帯
・筋肉
その他・・・・・
など沢山の構成体がありますよね。
その中で【関節包内】にあるモノはどれでしょか???
忘れてしまっている方は、もう一度教科書を開いてみるのもいいかもしれないですね!
(1)名称
「ワイプテスト」
※別名「ブラッシュテスト」「ストロークテスト」など
(2)概要と目的
膝関節内に腫脹があるかどうかを調べるためのテストです。
関節液が比較的少ない時でも行なえるテスト法です。
正常な膝関節の関節液は安静時であれば3~4mlと言われています。
この「ワイプテスト」は、関節液が
10~20ml程度でも有効なテスト法です。
ただし、膝蓋跳動テストよりやや難しいです。
(3)スタートポジション
・選手を仰向けで膝は完全伸展位とします。
・トレーナーは患側の膝付近に位置します。
(4)アクション
・手掌で患側の膝蓋骨内側の下方から上方に向かってこすり上げます。
イメージとして、この部分にある関節液を上まで寄せてくる感じです。
・次に、膝蓋骨外側の上方から下方に向かって、強めにこすります。
今度は先程内側で寄せた関節液を、外側を強めにこすることで、膝蓋骨内側下方に一気に押し出すイメージです。



(5)陽性反応
膝蓋骨内側下方に一気に関節液が流れ込むと、
少しだけその部分が膨隆する瞬間がわかります。
それが観察できれば陽性です。
「プクッ」っという感じで膨らんでくるのがわかります。
(6)テスト法の信頼度
・検者間信頼性「K=0.37」
このテスト法も、検者間で「陽性」か「陰性」かの判断が一定しないことが散見できるテスト法と、数字の上ではなっています。
ですが、こちらも検者内信頼性は低くないと考えられるので、
初期評価での判断材料や、経過を観察していくのには有用なテスト法と考えています。
(7)現場での実際
膝の損傷が起こった時には、多くの場面で使います。
特に、軽度の半月板損傷を疑った時にはかなり有力な指標としています。
(8)動画
(9)参考書籍
準備中