ラックマンテスト(膝関節)
(1)名称
「ラックマンテスト」
(2)概要と目的
膝前十字靭帯(以下ACL)損傷を疑った時におこなうテスト法です。
有名なものは、このラックマンテストと前方引出テストがありますが、こちらの方が現場上は重要視されています。
理由は【(7)現場での実際】を読んでみてください。
また、このテスト法は、比較的技術習得が難しいようで、苦労している学生トレーナーをよく見かけます。
コツは「選手に力を抜かせること」と「方向」です。
繰り返し練習して感覚を身につけましょう!!
(3)スタートポジション
・選手は仰向け。
・トレーナーは一方の手で大腿遠位部を外側から把持。
・他方の手を下腿近位部に置く。(母指を脛骨顆部近位端前方に、示指~小指は後方に置き、
挟むように内側から把持)
・膝関節を20~30°軽度屈曲させる。
(4)アクション
・膝関節軽度屈曲を保ったまま、関節周囲の筋肉が弛緩していることを確認した上で「下腿」を後方から前方に引き出す。
(5)陽性反応
・脛骨の前方動揺が大きいと陽性になりますが、当然移動量には個人差があります。
そのため、脛骨の前方動揺が健側に比べて過度に大きい場合が陽性となります。
・また、end feelの消失も所見としては重要で、消失していれば陽性と判断します。
(6)テスト法の信頼度
・感度:82%
・特異度:97%
(7)現場での実際
膝の外傷などが発生した時は必ず行います。
また、問診などでACL損傷を疑った場合も、ファーストチョイスはこのラックマンテストです。
よくACL損傷へのテスト法はラックマンテストと前方引出しテストが紹介されていますが、現場としてより重要なのはラックマンテストの方です。
理由は、
膝関節軽度屈曲位で行うため、
・脛骨の回旋が入りずらい状況でテストできる
・半月板の後節で前方移動が妨げられることがない
・関節が最も弛緩するポジションなので、純粋にACLの制動性をテストできる
点などが挙げられています。
受傷直後にも行いますが、少し時間が経ち、腫脹がピークとなっている時は、陽性反応が出にくいので注意が必要です。
(8)動画
(9)参考書籍
準備中